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2019年春夏キャンペーンビジュアル 主要ブランドを手掛けたフォトグラファーは?

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2019年春夏のキャンペーンビジュアルが出そろった。フォトグラファーが撮り下ろした1枚1枚からブランドが表現したいイメージを読み取ることができる。どのフォトグラファーを起用し、どんなビジュアルが誕生したかを一挙に紹介する。

グレン・ルッチフォードが監督・撮影を務めた「グッチ」は、ミュージカル映画の黄金期を思わせるカラフルでエネルギーに溢れたビジュアルが完成。1940年代から50年代のミュージカル映画の楽しげなストーリー展開を思わせる、遊び心に満ちている。グラマラスな中に漂うシュールなムードが見る者を引きつける。

シャロン・エイアルによる振り付けで柔軟な躍動感をショーで印象付けたコレクションを、英国人女性ハーレー・ウィアーが撮り下ろした。「ディオール」のマリア・グラツィア・キウリが生み出したヌードカラーのアンダーシャツやドレスの柔らかな動きと、踊り、絡み合うモデルたちの繊細なボディーラインが、女性の強さとしなやかさを描き出している。

「シャネル」はカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が7人のモデルを撮影。素肌にゆったりとしたボリュームの軽やかなツイードのドレスやスーツをまとわせ、軽やかな印象に仕立てた。ニュートラルカラーの背景がモデルの素肌やウエアのカラーを引きたたせ、夏の日差しを思わせる陰影がよりフレッシュで健康的なイメージを演出する。

リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)は「バーバリー」での初のキャンペーンビジュアル制作にニック・ナイトを始め、ファッション誌を中心に活動する気鋭写真家のレティ・シュミッタロウら6人のフォトグラファーを起用。英国の多様性やスピリット、包括性を、世代やカルチャーの異なる幅広いモデルと共にさまざまなアプローチで捉えた。

クリエイティブ・ディレクターを務めたカール・ラガーフェルドが撮影。「フェンディ」の本社であるイタリア文明宮からインスピレーションを得たというセットの中で、カイア・ガーバーを含む最旬トップモデル3人を起用して、モダンかつクラフツマンシップ溢れるコレクションをクリアに描き出した。

1980年代に「エンポリオ アルマーニ マガジン」のアートディレクターを務めたジョルジオ・アルマーニの妹、ロザンナ・アルマーニ(Rosanna Armani)が指揮を執り、共に同誌を手掛けたカート・マーカスが撮影。砂丘と水で境界線が曖昧な異空間を作り出し、見る者を非日常へと誘う。

黒をメインにボリューム感たっぷりのコレクションを発表した「ヴァレンティノ」を、ユルゲン・テラーが生々しく撮り下ろした。バッグを握ってカメラを見据えるアドゥ・アケチやマリア・カルラボスコーノと、オーバーサイズ・ハットを被って踊ったり、両手を広げて長い髪を振り乱すクリステン・マクメナミーの静と動の対比がドラマチック。

映画撮影技師ブノワ・デビエ撮影監督のキャンペーン・ショートフィルムから切り取ったモデルたちの静止画で構成。「プラダ」はウィリー・ヴァンデルペールの撮影で、静と動、カラーとモノクロを組み合わせ、ミステリアスなムードが漂う映画のポスターのように仕上げた。2017年春夏から広告キャンペーン「365」の一環でもある。

デヴィッド・シムズ撮影による「ミュウミュウ」のキャンペーン「SOMEWHERE, NOWHERE(どこでもないどこか)」の舞台は車中。出発でも到着でもない不確かなタイミングをぼんやりとした風景とともに捉え、普遍性を感じさせるビジュアルを生み出した。虚空を見つめる女性たちは何を考えているのか。想像をかきたてる。

「バレンシアガ」は1990年代からギャングを撮り続けている英国人、ロバート・エイガーをフォトグラファーに起用。多様な人種と世代のモデルをモノクロームで撮り下ろし、エレガンスやグラマーを現代的に再解釈したコレクションを、力強いビジュアルに落とし込んだ。モデルたちの鋭い視線がストーリー性を高めている。

モデルのカーラ・デルヴィーニュとオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)「バルマン」クリエイティブ・ディレクターがヌードで絡み合う姿をダン・ベレユが撮り下ろした。「黒人もしくは人種が入り混じった肌の色と、白人という異なる肌の色が“再会”している様子を表現した」とルスタン。