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本キャリバーは、スプリングドライブが20周年を迎えた2019年に登場しました。

ケースを裏返すとSBGY007のスリムなプロポーションとクリーンなダイヤルを実現する手巻きスプリングドライブCal.9R31が表れます。本キャリバーは、スプリングドライブが20周年を迎えた2019年に登場しました。

ムーブメントのGSロゴの真上には、文字盤側から移されたパワーリザーブインジケーターがあり、その左隣には動力源であるゼンマイを格納する香箱が配されています。Cal.9R31は、ひとつの香箱に薄く長い2本の動力ゼンマイを並列に重ねるデュアル・スプリング・バレルを採用しているため、72時間のパワーリザーブを実現。ドレスウォッチとして仕事などのオンのシーンで使い、オフの週末では別の時計を使うといった場合でも月曜の朝まで動き続けてくれます。

ムーブメントに施された美しい仕上げ。サファイアクリスタルの獅子の紋章はとても控えめで鑑賞を妨げない仕様だ。

巻き上げたときに気づいたのですが、リューズがやや大きめに作られているため、とても巻き上げやすいです。また、パワーリザーブインジケーターを見ながら巻き上げるため裏返して操作しているとムーブメントの受けに施された強めのサテン仕上げやエッジのある鏡面仕上げの緻密な面取りが目を楽しませてくれました。ロングパワーリザーブのためそこまで頻繁に巻き上げる必要はありませんが、こうした要素も所有し使っていくうえでは嬉しいポイントですよね。

ドレスウォッチ要素が強調されたSBGY007には、ブルーのステッチが入ったブラックのクロコダイルストラップが付属します。純正ストラップも適度な遊び心があってよいのですが、スーツをきたりタイドアップしたりする機会が少ない僕は、こうしたドレスウォッチであってもストラップを交換してドレスダウンして身につけているようにしています。そこで本機も付け替えてみることにしてみました。ラグ幅はグランドセイコーおなじみの19mmです。白いステッチの入ったブラックのカーフストラップをつけてみるとまったく異なる印象になりました。夏場にはメッシュブレスレットに変えてみるのもよさそう。淡いブルーのダイヤルなので似合うストラップは多くありそうなので、より自分らしく楽しめるコーディネートをお試しください。

セイコー独自の文字盤を滑るよう進む秒針を備えたスプリングドライブは、時計業界でも唯一無二の存在です。本機のムーブメントは、クレドールの叡智IIを担当したマイクロアーティスト工房の時計師も設計に関わっています。つまり、グランドセイコーのなかでも上位に位置しているのです。僕は時計とのインタラクションをより多く楽しむことができる手巻きが好みですが、本機はそうした同社の技術を日々楽しむことができるモデルであるというわけです。

ドレスウォッチでありながら自分なりのストラップコーディネートやつけ方で、カジュアルでも似合うポテンシャルを秘めたSBGY007は、グランドセイコーファンだけでなく多くの時計愛好家たちに手にとってもらいたいモデルですね。

グランドセイコー エレガンス コレクション SBGY007 "御神渡り"。ケース、ステンレススティール、日常生活用防水、直径38.5mm × 厚さ10.2mm、ラグ幅19mm、トランスパレントバック。ブルーの型打ちダイヤル。ムーブメント、手巻きスプリングドライブCal.9R31、72時間パワーリザーブ。ブルーのステッチが入ったブラックのクロコダイルストラップ。価格: 93万5000円(税込)。


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